東京大学 理科二類 2年 Sazanami, Inc. CEO 東大AIセンターEVARL RA
Tatenuma Ryoya

蓼沼 諒也

「自分のやりたいことが尽きない人生をすべての人に」——人類総フロー状態化

基礎学問・技術実装・社会との関わり。この3つを地続きに捉える。 AIという道具を使って教育をアップデートするEdTechスタートアップを運営しながら、 ロボットアームのマニピュレーション研究と複数の社会的コミュニティに並走している。

About

非進学校(学年から東大合格1名)出身。学問の面白さに目覚めたのは高校時代で、 「基礎の圧倒的な無意識化こそが、最も空高く応用を広げる最短距離」という信念のもと、 東京大学理科二類に進学。

現在は東大AIセンターでロボットアームのマニピュレーション研究を行いながら、 米国デラウェア法人 Sazanami, Inc. のCEOとして動的パーソナライズ教科書プラットフォーム YURAI(由来) を開発。AIが正解を教えるのではなく「問いを生成する」 Slow AI という設計思想を核に置く。

感性は、抹茶や石庭に代表される「間(余白)」と「揺らぎ」を重んじる日本の美意識に根ざしており、 ロジックと感性は切り離せないという立場を取る。

海を背景にした蓼沼諒也のプロフィール写真
所属
東京大学 教養学部 理科二類 2年
役職
Sazanami, Inc. CEO
研究
ロボットアームマニピュレーション(東京大学AIセンターEVARL)
技術スタック
C / C++ Python TypeScript Next.js Cloudflare Workers

Timeline

  1. 2024.4〜

    Sazanami, Inc. / YURAI(由来)

    AIが正解を渡さない「Slow AI」の設計思想を核に、Why(問い)を起点に思考が樹形図状に展開する動的パーソナライズ教科書プラットフォームを開発。米国デラウェア法人のCEOとしてCTO・デザイナーと共に推進。

  2. 2024.4〜

    東京大学AIセンターEVARL — リサーチアシスタント

    ロボットアームのマニピュレーション制御を研究。論文執筆を目標に実験・実装を並走している。C++ / Python / ROS を用いたフィジカルAIの基礎研究。

  3. 2024〜2025

    シンギュラリティバトルクエスト — ロボクエスト

    全国高等学校AIアスリート選手権大会のロボクエスト部門を設計・開発・運営。高校生がロボット制御とAIを競う競技システムをゼロから構築し、難易度設計から当日技術運営まで一貫して担当。

  4. 2024〜

    フィジカルAIサークル UTAF — 立ち上げメンバー

    東大発のフィジカルAIサークルを立ち上げ。ロボット制御・センシング・自律行動システムを軸に、研究とコミュニティ両軸でPhysical AIの裾野を広げる。

  5. 2024〜

    UTFR — 教育団体 運営

    非進学校出身の東大生のみで構成されるサークル。高校生コミュニティの運営・システム開発・ワークショップ登壇。「偏差値ゲームとは別の知性の育て方」を体現するコミュニティを目指す。

  6. 2024〜

    チームみらい学生チーム — エンジニア部門

    政治×テクノロジーのコミュニティ。エンジニア部門にて運営改善のためのシステム開発を担当しながら、部門横断で教育プロジェクトをリード。

  7. 2024〜

    42Tokyo

    フランス発・教師なしのピアラーニングエンジニア養成機関。システムコールレベルからプログラミングの基礎を徹底。「型の無意識化」という自身の学習哲学を体現する場として取り組む。

  8. 2025〜

    一般社団法人 次世代の学び創造機構

    AI時代に「問い、考え、選ぶ力」を育む教育モデルを社会実装する教育法人。世田谷区小学生向け寺子屋事業・AI体験・主権者教育・教育DX実証の3本柱で教育の仕組みそのものを変えていく。

  9. 2025〜

    PROJECT any — 参加

    20代向け人材育成プログラム。国内外の学生とメンターとの対話・共創プロジェクトを通じて自己理解と社会への接続を深める。「個人の成長追求」と「他者への貢献」のバランスを実践的に問い続ける。

  10. 2026〜

    INOU CREATIVE School — 参加

    東京大学と電通による人材育成プログラム。独自の視点とアイデアを掛け合わせ、社会課題を解決するための発想と実践に取り組む。

Philosophy

「自分のやりたいことが尽きない人生をすべての人に」

AIがあらゆる労働を代替しうる未来において、教育の目的は「社会で生き残るため」という消極的な理由から、「夢中になれるものを見つけ、深めるための文化を育む」という積極的な理由へと転換されると思っている。私はその転換期に、AIを「問いを生成する道具」として設計することで、一人ひとりが自分だけの探究の地図を持てるような学習環境を作りたい。

それは非進学校からここまで来た自分自身の軌跡と、東大の研究室で基礎を掘り続ける経験の両方から来ている。遠い話だが、最終的には「誰もが自分だけの夢中を生きている世界」を目指している。単に選択肢が増えることでも、AIが便利になることでもなく、一人ひとりが「これをやっていたい」という感覚を持ち続けられる状態をつくることが、私の根っこにある。

「AIが正解を渡す」から「AIが問いを生成する」へ——Slow AI

世界中のAI企業が「より速く、より正確に答えを出すAI」を競っている。 その逆張りとして、あえて答えを教えない「遅いAI」を設計している。 OECDの研究が示すように、認知的オフローディングは学力低下だけでなく、 内発的好奇心の消滅・批判的思考の退化を引き起こす。

不明な箇所をマークアップすると、AIは「なぜそうなるのか」「なぜ逆ではないのか」 「数理的に定義すると?」など5つの問いを生成し、ユーザー自身が思考を展開する。 思考を止めるのではなく、思考を起動させるAI。これをSlow AIと名付けた。

人間は「感性追加装置」である

AIはデータの集積と統計的処理を担う。人間にしかできないのは「自分の好きをそこから見つけ、 自分の体験と重ね合わせて考えること」。創造性とは「膨大な知識の中から、自分のクオリアに従って どれを選び取り、どのような独自の重み付けで編集するかというアルゴリズムの癖」である。

0から1を作るのではなく、1と1を組み合わせてイノベーションを起こす。 スポーツの「型」が先人の最適解の結晶であり、 それを無意識のレベルまで叩き込むことで初めて高次元の戦略を並行思考できるのと同様に、 学問においても「基礎の圧倒的な無意識化」こそが最短距離。

教育をスポーツとして再定義する

AIとロボットがすべての労働を代替する将来、教育の目的は「社会に出て生きていくため」 という消極的理由から「楽しく生きるための文化を培う」積極的理由へと転換される。 学ぶことはスポーツになる——選択肢を要領よく選ぶだけの秀才を育てる教育は終わりにすべきだ。

紙とシャーペンに代表される「3Dの生データ(良質なノイズ)」を高知能AIがそっと見守る。 そんな未来をクリエイターとして構想し、遺したいと考えている。